ichiではチェックインの際、周辺案内と宿の説明後に私たちの自己紹介をしています。
「夫婦で宿をやっておりまして、亭主のころすけと申します。こちらは妻のゆみです」
これが決まり文句であり、9年目の今も変わらず続けています。
この自己紹介をするかしないかについては、オープン当初まあまあ揉めました(笑)
なぜ“ころすけ”なのかは割愛しますが、初対面でお互いの緊張状態を少しでも和らげて親しみが出るようにしたいというのがころすけの意見。
一方、私の意見としては泊まる宿でいきなり自己紹介されても反応に困るだろうし、私たちの呼び名を伝える意味はないのでは。ひとりはあだ名だし、、、、
結果的に二人の妥協点として、ころすけが私のことも紹介するというかたちで落ち着いた。
実際自己紹介をすると、逆に自己紹介をしてくれたり、ころすけという呼び名に笑ってくれたりとコミュニケーションが生まれることは事実ではあるけれど、私的にヒヤリとする場面も何度か経験している。
ゴールデンウイークやお盆の時期は、道路の渋滞や経由地での混雑、厳しい暑さも相まって、宿に来るまでの間にすでにかなりのエネルギーを使い疲弊した状態でチェックインされる方が多いのです。きっと早くチェックインを終わらせて部屋で一旦休みたいという気持ちなのかなと。とてつもなく気持ちは分かるし、この状態で自己紹介をされてもなぁと。
その度に、今回は自己紹介を省いてもいいのではと心の中で念じていますが、伝わるわけもなくいつも通りのテンションで自己紹介をする亭主。ある意味強い。
案の定、リアクションはなくひんやりした空気が流れ、耐えられず意味もなく笑う私の笑い声だけが寂しく響く。
それでも、時間がたって夕食時や翌日のツアーの際に名前で呼んでもらえると、覚えていてくれたんだ、リラックスできたのかなと嬉しい気持ちになります。スタッフの紹介もしているので、リピーターさんから「今日はまるちゃんいないの?」など聞かれることもあって、旅の思い出の一部として思い出してもらえるのっていいなぁと思ったりしています。
なので、どんな反応でも問題ありません。笑ってもらえなくても、変わらずドヤ顔で自己紹介する亭主と隣で変な汗かいて笑ってる女将でお迎えし続けたいと思います。
ちなみに、海外のお客様が来られる際も例外はなくカタコトの英語で自己紹介をする亭主ですが、なぜか決まって私のことを
「マイ フィアンセ ユミ」と紹介します。。
何年たっても婚約者な私です。